理事コラム

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[2019年10月9日(水曜日)/理事・伊達 洋駆]

採用活動に対する社員の協力を得る

採用活動を効果的に進めるために欠かせないのは、社員の協力を引き出すことです。そのためには、採用という取り組みの重要性を社内で理解してもらわなければなりません。どうすれば理解してもらえるのでしょうか。

 

まずは、採用担当者が社員一人ひとりと話をする機会を持ち、自社の採用に関する意義、現状、課題を説明する、といった草の根の方法が考えられます。

 

特に、人事部以外の社員とのコミュニケーションが大事です。『日本企業の採用革新』(中央経済社、服部理事の共著)においては、他部門の社員も参加する研修に採用担当者が出席する方が、採用活動の変更を行えるといった分析結果が示されています。他部門とのネットワーク構築やコミュニケーションが、採用活動を進めやすくする可能性があります。

 

続いて、経営者と定期的にやりとりし、経営者の口から採用の重要性を発信してもらうのも良いでしょう。経営者のコミットメントが社員の行動変容に対して少なくない影響を与えることは、組織変革に関する研究の中で確認されています。

 

「何を社員に伝えて採用活動の重要性を実感してもらうか」という観点も必要です。すぐに思いつくのは、「採用が事業に貢献し得ること」を述べるということです。これは、採用の「事業に対する意義」を主張することを意味します。

 

一方で、採用の「社会に対する意義」も説明しておきたいところです。例えば、「採用は、求職者にとってキャリアを選択する重大な機会であり、採用活動に関わることは、人々のキャリアをより豊かなものにする活動に関わることだ」といった具合に、です。

 

参照:『「最高の人材」が入社する 採用の絶対ルール』

(釘崎清秀・伊達洋駆/ナツメ社刊/四六判/264ページ/定価:本体1300円+税)

伊達 洋駆

伊達 洋駆

株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役

神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。同研究科在籍中、2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年にビジネスリサーチラボを創業。以降、経営層・マネジメント層をクライアントに意思決定の精度を高めるためのリサーチ・コンサルティング事業を展開。2013年に横浜国立大学 服部泰宏研究室と共同で採用学研究所を立ち上げ、同研究所の所長を務める。

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